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「AURA(オーラ)テクノロジー」- その仕組み

Oct 11, 2024 5 min read

LEWITT Content Team
Enthusiasts at work

"声のオートフォーカス機能"を備えた初のマイク「RAY」のことは、もう聞いたことがあるのではないでしょうか。この画期的な新機能を支える技術を理解したとは思いませんか?

この記事では、「AURA(オーラ)テクノロジー」について、その誕生から始まり、詳細に深掘りしていきます。

「AURA(オーラ)テクノロジー」の誕生

150年前、世界で初めてのマイクが発明されました。それ以来、変わらないことがあります。

あなたがマイクから離れれば信号は細くなり、音量(レベル)は下がる。近付けば音量は上がる。指向性マイクには「近接効果」があり、マイクの近くでは声は太く、低域が強調されて聞こえるようになる。

レコーディングの世界では、これは当然のこととして受け入れられています。LEWITTが目指すのは、素晴らしいあなたの「音」を、できるだけ簡単に実現することです。LEWITTは、そんな技術的制約を乗り越える、新しい製品のあり方を日々模索しています。

ということで今日は、「AURA(オーラ)テクノロジー」(特許出願中)による"声のオートフォーカス機能"を備えた初のマイク「RAY」をご紹介します。「AURA」があれば、収録中にマイクとの距離を気にする必要はなくなります。表現に集中して、もっと自由に動き回ってもOK。それでも「AURA」と「RAY」が素晴らしいレコーディングを保証します。

RAY

あなたを捉えるマイクロフォン

 

「AURA(オーラ)テクノロジー」の仕組み

「AURA」の動作範囲は5~100cmです。

AURA はToFセンサー(光の飛行時間を計測して距離計測を行うセンサー)を使用して、マイクからの距離を測定します。この情報は、距離の変化を補正するために、音色(トーン)と音量(レベル)を調整するために使用されます。

「AURA」は、距離に応じて動的に反応するフィルターで、音色の変化を補正します。このプロセスにより、音のバランスが調整され、近接効果が補正されます。 

また、音量を一定に保つように調整するため、マイクから離れても"フォーカス"は維持され、非常に近づいても信号が歪むことはありません。

調整は、「AURA」センサーからデータを受信するマイクロコンピューターによってリアルタイムで行われますが、音声信号は100%アナログのままです。

AURA technology

技術的課題

「AURAテクノロジー」開発時の一番の課題は、+48Vファンタム電源のみで動作させることでした。素晴らしい音のマイクを開発すること自体が大きな挑戦です。しかし、この高度な機能を最小限の電力で動作させることこそが、開発の最も難しい部分でした。

「AURA」を有効活用しよう

「AURA」は検出できる中で一番近い物体に合わせて「RAY」の設定を調整します。カメラの"オートフォーカス"を思い出してください。レンズを手で覆えば、手にピントが合います。

RAY

「RAY」が安定して機能するように、マイクをできるだけあなたの近くに、かつ正面に置いてください。また、マイクを高い位置に置き、口元に向けて、下を向くように配置するのも効果的です。この配置では、あなたの頭が「RAY」に最も近い物体になるため、「AURA」の動作に最適で、手の動きによる誤作動の可能性を最小限にすることができます。

「RAY」は、距離に応じてあなたの声のボリュームを一定に保つよう調整します。つまり、マイクから離れるほど、周りの音も大きくなってしまいます。「RAY」のセルフノイズは非常に低いため、静かな部屋なら問題ありません。しかし、騒がしい環境や部屋で録音する場合、問題になる可能性はあります。

その場合は録音の質を上げるために、マイクの近くにいるようにし、部屋の中の不要な音源を減らしましょう(窓を閉める、扇風機やエアコンを止めるなど)。

「AURAテクノロジー」と「Mute by Distance」 機能

「AURA」は、もう一つの画期的な機能を実現しました。「Mute by Distance」です。

「AURA」センサーは距離の情報を使用するため、マイクから一定以上の距離離れると、自動的にミュートする機能を実装することができました。それが「Mute by Distance」です。

あなたがマイクから一定以上の距離離れると、「AURA」は信号を-70dB下げ、実質的にミュートされます。

「AURA」は、常に最も近い人または物を基準として、ミュートとミュート解除を行います。閾値より近い物体からの音を遮断することはできません。

この機能は様々な用途に役立ちます。 

  1. 配信では、立ち上がって関係ないことをする必要があることもあります。「Mute by Distance」を有効にすれば、配信に声は入りません。
  2. リモート会議では、話したい時にだけ聞こえ、それ以外の時間はミュートしておくべきです。「Mute by Distance」を使えば、話したい時だけマイクに身を乗り出し、椅子にもたれて話を聞いている間は、自動的にミュートされるようにできます。
  3. 「Mute by Distance」はレコーディングでも役立ちます。バックコーラスがいるとしましょう。シンガーは、マイクに近づいたり離れたりするだけでミュートとミュート解除を制御できます。

FAQ

  1. 「AURA」は単なるコンプレッサーではないのですか?
    「AURA」はコンプレッサーとは何の関係もありません。「AURA」は、あなたの距離に応じて音量を調整する技術者のようなものだと思ってください。コンプレッサーは似たような目的で使われることがありますが、正確性に欠けますし、常に信号を圧縮してします。
  2.   「AURA」を使うために明かるさなどの条件はありますか? 
    「AURA」を使うのに条件はありません。暗闇でも動作します。
     
  3. 「AURA」はゲートですか?
    ゲートは音量が一定以上下がると作動し、音量を下げますが、「Mute by Distance」は距離情報によって作動するミュート機能です。
  4. 「AURA」によってレイテンシーは生まれますか?
    「AURA」は一切のレイテンシーを生みません。あくまで信号は100%アナログで、デジタルマイクロコンピューターは制御だけを行なっています。

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