Blog

True love for great sound unites us. 

ヘッドホンのインピーダンスとは?

Oct 17, 2024 4 min read

LEWITT Content Team
Enthusiasts at work

Headphones

このブログでは、「インピーダンス」とは何か、それがヘッドホンとどんな関係があるのか、分かりやすい言葉で説明していきます。

さあ始めましょう。

ヘッドホンの「Ω(オーム)」とは

インピーダンスの単位は「Ω(オーム)」で表されます。その幅は、8〜600Ω(場合によってはそれ以上)。これから、ヘッドホンの「インピーダンス」が何を表すのか見ていきましょう。

「インピーダンス」とは

電気について学んだことがなくても、「電気抵抗」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

ある物体に電子を「押し流す」時、その物体はその流れ(電流)に対して「抵抗」します。

これは、電流が直流(DC - Direct Current)の場合の話です。「直流」とは、すべての電子が同じ方向に流れている電流のことを指します。

交流(AC - Alternate Current)の場合、電子は流れる方向を周期的に変えます。この場合、「抵抗」ではなく「インピーダンス」という考え方をします。

ハイインピーダンスの機材は、ローインピーダンスの機材に比べ、より強く電子の流れを「インピード(阻害)」します。

オーディオの世界では、交流(AC)が多く用いられています。なぜなら、それが音を電気信号に変換するのに最も便利な方法だからです。

音は微粒子(空気)の振動、交流は電子の振動なのです。

なぜヘッドホンにそれが関係するのでしょうか?

ほとんどのヘッドホンは、スタジオモニタースピーカーやウーファーと同じ仕組みの動電型(ダイナミック型)ドライバーを用いています。

Headphone drivers

このスピーカーの内部には固定された磁石があり、コイルとダイアフラム(振動板、空気を振動させて音を出す板のこと。)が取り付けられています。

交流信号、(つまり、あなたのお気に入りの一曲)が、磁場の中に置かれたコイルに流し込まれると、コイルは前後に動き始めます。取り付けられたダイアフラムも同時に動き、そうして音が生み出されます。

電気信号は特定のインピーダンスでコイルを伝わります。

コイルによって電気信号が受けるインピーダンスの大きさは変わります。これが、ヘッドホンのインピーダンスとその影響を決める主な要素になります。

ヘッドホンに合ったオーディオインターフェイス

オーディオインターフェイスに搭載されているアンプによっては、ハイインピーダンスのヘッドホンを十分に鳴らせるだけのパワーがないものもあります。自分のヘッドホンとオーディオインターフェイスのインピーダンスはチェックしましょう。

LEWITTのCONNECT2、CONNCT6は、どんなヘッドホンでも十分なアンプを搭載しています。

ヘッドホンのハイインピーダンス vs ローインピーダンス

インピーダンスの単位は「Ω(オーム)」で表されます。その幅は、8〜600Ω(場合によってはそれ以上)。

インピーダンスが8〜50Ωのヘッドホンを、一般的にローインピーダンスヘッドホンと呼びます。

普通のコンシューマー用ヘッドホンは、ほとんどが駆動しやすいローインピーダンスのものです。

これは、出力電圧の低い機材を使っている時でも、高いSPL(ボリューム)に達することができるということです。

プロ用のヘッドホンでも、ローインピーダンスのものは多くあります。

インピーダンスが50Ω以上のヘッドホンを、ハイインピーダンスヘッドホンと呼びます。

ハイインピーダンスヘッドホンは主にプロオーディオの現場や、所謂「オーディオマニア」の人々によって用いられます。

では、そもそもなぜインピーダンスの違うヘッドホンが存在するのでしょう?

インピーダンスの違いは、主に歴史的、技術的な経緯や、用途の違いによるものです。

ポータブル機器(スマートホンやノートPC)からの出力電圧は、プロ用機材よりも低いため、ローインピーダンスヘッドホンが最適です。ポータブル機器の低い出力電圧でも、大きい音量を出すことができるためです。

試しにハイインピーダンスのヘッドホンをノートPCに接続してみてください。ボリュームを最大にしても、十分な音量にはなりません。

East West studios

でもそれなら、ハイインピーダンスのヘッドホンが存在する理由は?

スタジオで用いられる機材には、ポータブル機器のような(電圧の)制限はありません。むしろ、プロオーディオ用の機材(オーディオインターフェイス、ヘッドホンアンプなど)の出力電圧は高いことが多いです。そのため、ヘッドホンのボリュームの問題は起こりません。つまり、スタジオの環境では、ハイインピーダンスヘッドホンもローインピーダンスヘッドホンも問題なく使用できるということです。

ハイインピーダンスのヘッドホンの方が「いい」?

簡単に言えば、「ノー」です。インピーダンスの違いは音に影響を与えるものの、「ハイインピーダンスの方がいい」とは言えません。

むしろ、最近では逆と言ってもいいかもしれません。ローインピーダンスのヘッドホンならポータブル機器でも問題なく使用できるのですから。 

そして、もし今あなたが使用しているヘッドホンをプロ用機材に繋いでも、全く問題は起こりません。

現在では、ほとんどのオーディオインターフェイスやヘッドホンアンプは、ヘッドホンのインピーダンスによらず使用できるように設計されています。

ただ、ローインピーダンスヘッドホンを使う時にはボリュームに注意しましょう。ボリュームを上げるのが容易なため、簡単に耳にとって危険なボリュームまで上げることができてしまいます。

出力電圧が高すぎる場合、ヘッドホン自体が故障する場合もあります。気をつけましょう!

Headphones

ヘッドホンと音源(ソース)とのマッチング

重要なのは、ヘッドホンのインピーダンス(入力インピーダンス、負荷インピーダンス)とヘッドホンが接続された機器のインピーダンス(出力インピーダンス、ソースインピーダンス)の関係です。

プロ用の機材ならヘッドホンのインピーダンスに関わらず使用することができます。

原則として、入力インピーダンスは、出力インピーダンスの最低10倍は高いべきとされます。そうでない場合、不要なカラレーションや特定の帯域での歪みなどを招く場合があります。

この条件を「インピーダンスマッチング」と呼びます。

インピーダンスマッチングができているのか確認する方法は?

ほとんどのプロ用機器は、どんなヘッドホンでもこの条件合うよう、低いインピーダンスで設計されています。

なので、オーディオインターフェイスやヘッドホンアンプを使用している場合、心配しすぎる必要はありません。

CONNECT 2

ヘッドホンの「感度」とは

ヘッドホンのスペックとして、時々インピーダンスではなく感度、出力音圧レベルが記載されている場合があります。 

これらには関係があります。
 
感度の単位はdB SPL/V @ 1 kHz(もしくはdB SPL/mW @ 1 kHz)で、これはある電圧、1kHzでヘッドホンが発生させることのできるSPL(ボリューム)を示しています。

例えば、感度105 dB SPL/Vのヘッドホンなら、1V、1kHzの信号を加えると105 dB SPLを発生させることを意味します。

感度が高いほど、ある電圧でのSPLは高くなります。つまり、ヘッドホンのボリュームが大きくなるということです。

ローインピーダンスヘッドホンの感度は高く、ハイインピーダンスヘッドホンの感度は低いです。


Facebook icon YouTube icon Instagram icon zoom-icon