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True love for great sound unites us.
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レコーディングの世界で「マッチドペア」という言葉を耳にしたことがあると思います。
でもその意味は?どういう仕組みで、本当に必要なのでしょうか?
この記事では、まずマイク・マッチングについて学び、ありがちな誤解を解消し、最後にはあなたの「自分にマッチドペアは必要?」という疑問に答えを出したいと思います。
マッチドペアマイクはステレオ・レコーディングに使用されます。リアルなサウンドを再現するためには、二つのマイクの音が全く同じでなければなりません。
それを実現する一番の方法は、同じブランドの同じマイクを使い、「感度」と「周波数特性」をできる限り一致させることです。
これから、なぜこの2つの特性が、リアルなステレオイメージを実現するために不可欠なのかを検証してみましょう。
感度
片方のマイクの出力(感度)がもう片方より低いと、ステレオイメージは片側に傾いてしまいます。
自分の耳で聞きながら片方のチャンネルのゲインを調整することで解決する場合もありますが、他の人から録音をもらう場合や、片方のマイクの位置が悪かった時など、いつも自分の思い通りにはなるとは限りません。
ペアマッチングされていないマイクを使った録音は、バランスが悪くミックスが大変、なんてこともしばしばです。
周波数特性
2本のマイクの周波数特性が違いすぎると、特定の音程が片方に寄ってしまうこともあります。
持続音のある楽器(弦楽器、ホルン、合唱など)では特に深刻です。
アンバランスな録音になり、特定の音が鳴りながらステレオイメージの中を「動き回って」してしまうこともあります。
ストレスフリーのステレオ・レコーディングのためには、マッチドペアのマイクと、CONNECT 6のようなステレオリンク機能を備えたデジタル制御のプリアンプが最適です!
ミックスはより簡単になり、サウンドはより鮮やかでリアルなものになるでしょう。
感度のマッチングは手間のかかる作業でした。
マイクを測定し、データを見て、マイクの中を開け、トリムポットで感度を調整。時間を節約するために、外からトリムポットを調整できるものもありました。その後、マイクを閉じて最初からやり直すのです。
ご想像の通り、この方法は非常に手間がかかり、一部のブランドのマッチドペアの価格が高くなる理由のひとつでもあります。また、時々必ずミスが起こります。人間ですからね。
周波数特性のマッチングは、グラフを紙に印刷し、窓に当てて光に透かして行うこともありました。現在でも、この作業はコンピューター画面上で、時には手作業で行われています。
私たちがマッチドペア製品の開発を始めたとき、私は一般ユーザーのふりをして多くのマイクメーカーにコンタクトを取りました。私は、彼らのマイクマッチングの手法や、マッチングの精度を確かめる方法について尋ねました。彼らの回答は、洞察に満ちた誠実なものから、滑稽で少々疑わしいものまで様々でした。まったく答えてくれないところもありました。
もしマッチドペアを購入したい時は、ブランドに連絡を取り、マッチングの手法について尋ねることをお勧めします。
私たちは、全ての人が素晴らしいレコーディングを行えるよう、魅力的な価格帯を維持しつつも、可能な限り技術的に優れた製品を作るよう常に努力し続けています。
これはLEWITTのマッチドペアマイク、LCT 040 MATCH stereo pairとLCT 140 AIR stereo pairも同じです。
私たちがマッチドペアマイクの開発に着手したとき、ペアになった2本のマイクの違いを誰にも聴き分けられないほど良いものにしたいと考えました。
そのために私たちは、どんなに訓練された人でもマイク間の違いを聞き分けることができなくなるためには、それぞれの特性をどれだけ近づければならないのかを研究しました。
その上で、私たちが販売するすべてのマッチドペアのマイクがこの高い基準を満たすことを保証できる製造プロセスを開発しました。
ステップ1:感度のマッチング
まず、全てのマイクが同じ感度であることを確認する必要があります。これは、どの音圧レベルにおいても、どちらのマイクもXLR出力に同じ電圧を発生させることを意味します。LEWITTのLCT 040 MATCHとLCT 140 AIRには、このプロセスを非常に正確かつ効率的に行うためのユニークな技術が組み込まれています。
これらの製品は、XLR接続を介して当社の測定機器からデータを受信することができるマイクロコンピューターを備えています。このマイクロコンピューターは、偏極電圧を変更してマイクの感度を増減させることができます。
測定の手順は以下の通りです:
ステップ2:周波数特性のマッチング
次のステップは、我々の基準に合った、周波数特性の最も一致するマイクを見つけることです。
5000本のマイクを製造する場合、無響室で全てのマイクの周波数特性を測定します。全てのデータは我々の測定システムに保存され、マイクのシリアル番号にリンクされます。
当社のマッチングアルゴリズムは、最も一致するものを探し、2つのシリアル番号をペアにします。そして、その2つのマイクロホンは「マッチドペア」のパッケージに入れられます。
最終的に、耳で聴いても区別のつかない2本のマイクができあがります。これにより、ステレオ・レコーディングでのオーディオの正確な録音が保証されます。
このような先進的な製造工程を経て、私たちが製造するすべてのマッチドペアが、私たちの非常に高い基準に見合うことを保証することができるのです。もう一つの利点は、ステレオ・マッチングの工程で、お客様に追加費用がかからないことです。
マッチドペアを2本のシングルマイクと同じ価格で提供できることは、私たちの誇りです。
LEWITTのマッチドペア製品ラインナップ
マッチドペアが有用な場面:
例えば、クラシック音楽用に設計された部屋で弦楽四重奏を録音したいとします。その部屋では素晴らしい音がします。できるだけ正確かつリアルにオーディオを録音したい。あるいは、ロケ地の音や映画用のアンビエンスを収録したいとします。
もう一度言いますが、目標は限界までリアルなサウンドです。聴き返しているときに目を閉じると、まるで「そこにいる」ように感じられるような。
この場合、マッチングされたペアは非常に有用です!
マッチドペアのメリットが小さい場面:
今時のロック/メタルのプロダクションで、ドラムのオーバーヘッドを録音するとしましょう。多数のトラックがあり、すべてのチャンネルに個別のマイクが使われています。この場合、マッチドペアを使うメリットはほとんどないでしょう。むしろ、ステレオ感をより持たせるために、全く異なるモデルのマイクを使うプロデューサーもいるほどです。
ステレオ感は左右のチャンネルの差が大きければ大きいほど広く感じるものです。しかし、それはリアルな音ではありませんよね。
マッチングしているしていないに関わらず、マイクの配置こそが良いステレオ・レコーディングにおいて最も重要な要素の1つです。
上でも述べたように、マッチドペアマイクの良さを一番活かせるのはステレオ・レコーディングにおいてです。
素晴らしい結果を得るために、注意すべき点がいくつかあります:
ゲインの設定
最高のステレオ効果を得るためには、二つのチャンネルのゲインをまったく同じに設定する必要があります。
これを行う一番の方法は、オーディオインタフェースの 2 つの入力チャンネルをリンクさせることです。そうすれば、両チャンネルのゲイン設定はまったく同じになります。私たちのオーディオインターフェースCONNECT 6には、この機能があります。
この機能がないインターフェースもあります。その場合は、少なくともゲインをデジタルで設定できるかどうかを確認してください。これは通常、正確なゲインの数値を手で入力できることを意味します。そして、それぞれで同じ数値を使用することで、両方のチャンネルにまったく同じゲインを設定することができます。
インターフェースに上記のどちらの機能もない場合は、耳とフェーダー/ノブの位置でできる限りゲインを合わせるようにしましょう。
マイクの配置
良いステレオ・レコーディングのための最も重要な要素は、マイクの配置です。このトピック全体については、別のブログ(英文)で紹介しています。様々なセッティングについて、どのような時に使うか、また動画でサンプルを聴くこともできます。
stereo recording teqniques (英文) のブログへ
マッチドペアマイクの話題は以上です。あなたが何かを学び、あなたがステレオペアを手に入れるべきかどうかを自分で決められることを願っています。また何か質問があれば、SNSなどを通じてお気軽にご連絡ください!