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スタジオレコーディングの心構え

レコーディングスタジオに入る前、どんな準備をしていますか?Metropolis Studioのヘッド・エンジニア、アレックス・ロビンソンが、ミュージシャンなら知っておきたい4つの秘訣を伝授します。

Aug 28, 2023 4 min read

Valerie

Alex Robinson recording with LEWITT mics at Metropolis Studios

レコーディングスタジオでの録音を控えているとき、どのようなことを準備しておけばスムーズに作業が進むのでしょうか?

Metropolis Studioのヘッド・エンジニア、アレックス・ロビンソンが、ミュージシャンなら知っておきたい4つの秘訣を伝授します。

自分自身が一番パフォーマンスしやすい環境を作りましょう。

 

私たちのスタジオに初めて来る若手アーティストの多くは、少し緊張しています。大きなレコーディング・ルームがある大きなスタジオ。有名なプロデューサーやアーティストがプロジェクトを率いることも多い。

それは若いアーティストにとって大きなプレッシャーになります。特にこの規模のレコーディング・ルームのヴォーカル・ブースでは、みんなに見られているような気分になります。

Metropolis Studio A

特にメインヴォーカルは、周りからの注目を浴びやすいポジションです。決して周りはプレッシャーを与えたいわけではなく、「あなたの最高のパフォーマンスを引き出す」ために、ここに集っていることを忘れないでください。

エンジニアもアシスタントも、あなたを成功させるために仕事をしていることを忘れないでほしい。

ブースの中にいて、周りの視線を感じてしまい集中できない場合は、休憩を挟むのも良いと思います。照明を少し落としてほしいとか、ヘッドフォンのミックスが合っていないとか、できるだけ快適な状態で最高のパフォーマンスやテイクができるように、遠慮せずにいろいろとリクエストすることはとても重要なのです。

それを煩わしく思うスタッフはそこにはいません。

DTP 640 REX microphone recording drums

壊れている楽器を持ち込まない。

バンドのレコーディングをする際、持ち込み機材があることは少なくありません。

基本中の基本ではありますが、チューニングが狂っているギターや壊れているような楽器を持ち込むことはお勧めできません。楽器のコンディションには注意が必要です。レコーディングでは、安定性のない楽器は良いパフォーマンスを産むことができません。特に繊細にプロデュースされたものをレコーディングする際は注意しましょう。

ドラムのヘッド、弦、ピックなどは新しいものを用意し、念の為のスペアも必要でしょう。

 

Clash playing Keyboard at Metropolis studio

適切なリハーサルが重要。

経験の浅い若いバンドにありがちなのは、今日がレコーディングできる状態になっていないことです。
まだ固まり切っていないアイデアを持っていても、レコーディングの準備ができていると錯覚してしまっているのです。

多くの若いバンドは、リハーサルスタジオで曲を作ってすぐに、「スタジオでレコーディングしよう」となりがちです。レコーディング前のデモを作る作業はとても重要で、どれだけやっても"やりすぎ"ということはないと思います。

バンドにとっても、プロデューサーにとっても、全てのパートを理解・把握できていることは、レコーディングのプロセスに入る上ではとても重要なことです。

せっかく大きなレコーディングスタジオでレコーディングを行うのなら、準備は完璧にしておくことをお勧めします。

一番残念なのは、レコーディング後に「ああすればよかった、こうすればよかった、、パートを変えればよかった。」など後悔が残ることです。

リハーサルスタジオでも、曲の準備は十分に可能です。綿密なリハーサルを行い、曲をしっかりと完成させて自分自身とバンドに落とし込むことで、良い結果を得られると思います。

 

Guitar effect pedals

整理整頓を心がける。

時間通りにスタジオに行き、セッション前に知っておくべきことをすべて整理し、理解しておくことは、常に重要です。スタジオの場所から、スタジオで誰と会うのか、その日に何をするのかまで。
作業の流れもスムーズになるし、自分自身の心にも余裕が生まれ、演奏やオペレーションだけにフォーカスできることが重要です。

Photos © Tom Rowland

 

アレックス・ロビンソン :

アレックスは2013年にMetropolisに着任し、現在では様々なセッションで活躍するエンジニアとなった。Kendrick Lamar、Sam Fender、The Cure、Pale Waves、 Coldplay、 Octavianなど、大物アーティストから新進気鋭のアーティストまで、さまざまなミュージシャンと仕事をした。

また、「Clash Live @ Metropolis」、Ellesseの「Make It Music」ブランド・キャンペーン、「Spotify Sessions」など、Metropolisの代表的なスタジオ・イニシアチブの開発にも主導的な役割を果たしている。 Band Of Skulls、Samm Henshaw、The Kooks、IAMDDB、Bloxx、Laurel、Maisie Peters、Nina Nesbitt、Roses Gabor、Louis Berry、Holly Cook、Rukhsana Merrise、Anteros、Not3s、Billy Lockett、Fatherson...。 などがいる。

彼の他の仕事には、Chris Reaの24枚目のスタジオ・アルバム『Road Song For Lovers』のミキシングや、彼のレギュラー・クライアントであるBullet For My Valentineの最後の2枚のアルバム『Venom』と『Gravity』がある。

 


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